哲学と自然

茨木高校の57期生は、一年次の授業でいきなり科学の一部をなす近代生物学の授業に入らずに基礎演習を行った。その内容はギリシャの自然哲学から始まって、進化論によって人類の自然観を一変させたダーウィンにいたるまでの自然認識の変遷を学ぶことに費やした。「ソフィーの世界」の配列を基本にしながら、博物学者たちを加えた20タイトルについて、生徒が自ら下調べをしてポスター発表を行なった、教師が壇上から講義する形式は採用しなかった。発表に対する生徒間の質疑応答は時間無制限で行った。ときに議論は白熱し、65分授業でもタイトルの質疑応答が終わらないこともあった。これはそのポスター発表の骨子をまとめたレジュメである。茨木高校60期生でも同様の基礎演習をポスター発表とレジュメ作成を併用して実施した。優れたレジュメをここに収録した。

自然哲学者たち ルネサンスの時 顕微鏡学者たち E. ダーウィン
ソクラテス デカルト リンネ C. ダーウィン
プラトン ロック フンボルト 動物地理学
アリストテレス ヒューム ラマルク ツュンベリー
テオフラストス カント キュビエ 遺伝学の発展

生徒と教師が使用した参考文献
荒俣宏(1982)大博物学時代 進化と超進化の夢、工作舎
小阪修平(1984)イラスト西洋哲学史、宝島社
ヨースタイン・ゴルデル(1995)ソフィーの世界 哲学者からの不思議な手紙、NHK出版
西村三郎(1997)リンネとその使徒たち、朝日新聞社
アイリック・ニュート(1999)世界のたね 真理を追いもとめる科学の物語、NHK出版
西村三郎(1999)文明の中の博物学(上・下)、紀伊國屋書店
チャールズ・シンガー(1999)生物学の歴史、時空出版
ジョン・A・ムーア(2003)知のツールとしての科学 バイオサイエンスの基礎はいかに築かれたか(上・下)、学会出版センター



近代生物学と自然

茨木高校の57期生には、二年次の授業ではメンデル遺伝学を手始めに、発生学を終えてから有機化学の基礎を講義した。呼吸と光合成の過程が如何にして明らかになったか?神経の興奮はどうして起こるのか?生徒は要所で講義に関わる研究を行った人物の生い立ち・時代背景・研究方法・そこから導き出された理論、を生徒が調べてポスター発表を行った。哲学のタイトルでは活発な質疑応答がなされたが、残念ながら近代生物学のタイトルではあまり議論にならない。それは近代生物学では研究の対象が絞り込まれ、その手法が特殊であるためなのだ。まさにこれが「普遍」よりも「特殊」、「包括」よりも「選別」の方向に進んだ「科学」自身の性格によるものではなかろうか。これはそのポスター発表の骨子をまとめたレジュメに、一部のタイトルを補充した資料である。

微生物学 コッホ エールリヒ 北里柴三郎 志賀潔 秦佐八郎
生態学 エルトン ラウンケル 吉良竜夫 ホイッタカー クレメンツ
生理学 ベルナール 高峰譲吉 カハル レーウィ ホジキン
行動学 C.ダーウィン フリッシュ ティンバーゲン ローレンツ 杉山幸丸
生化学 パスツール ブフナー マイエルホーフ クレブス セント・ジェルジ
光合成 ブラックマン ワールブルグ ヒル エマーソン カルビン
発生学 ウォルフ ベーア シュペーマン フォークト ルー