動物行動のデジタル映像コンテスト −ケンカ(闘争)−

審査結果

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応募総数27、投票総数633
ご応募、投票ありがとうございました!

<一般投票>
一般投票では総計633票の投票があり、上位3作品は以下のようになりました。

大賞
マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ
マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ
(大八木昭様)
準大賞
コバネヒョウタンナガカメムシの雄の闘争行動
コバネヒョウタンナガカメムシの雄の闘争行動
(日室千尋様)
カマバエの一種の喧嘩
カマバエの一種の喧嘩
(大槻公彦様)


<審査員特別賞>
審査員:日高敏隆氏(総合地球環境学研究所所長)
    海野和男氏(昆虫写真家)
    千石正一氏(自然環境研究センター研究主幹)

審査員特別賞は、各審査員から数点の候補を推薦していただき、その中から一般投 票の大賞および準大賞の受賞作を除いた後で、以下の三点が選出されました。学術 的および教育的観点から「餌資源を巡るアカマタの闘争」(日高氏・千石氏推薦) 、映像的観点から「♀をめぐって闘争するコオロギの♂同士」(日高氏推薦)、お よび「トンボ縄張り争い」(海野氏推薦)です。

餌資源を巡るアカマタの闘争
餌資源を巡るアカマタの闘争
(森哲様)
♀をめぐって闘争するコオロギの♂同士
♀をめぐって闘争するコオロギの♂同士
(角(本田)恵理様)
トンボ縄張り争い
トンボ縄張り争い
(西本晋也様)

おめでとうございます。受賞されかたには、審査員の先生方の著書を送らせていただきます。

<受賞の歓び>
(一般投票大賞)
大八木様・・・「かわいい−きれい−芸術的−情景的−」でなければいくらコマ数を増やしても選ばれず,ほとんど日の目を見ないスチル写真とは異なり,動物の行動を音と動きで伝えられるムービーは情報伝達手段としておおいに期待できると思います。
 今回のコンテストで「すごいので皆さんもぜひご覧になって下さい」とのレスを見たときや「なんだ。ぜんぜん戦ってねーじゃん」「お。つえ〜〜」「すっげえ−。こいつ。つえ〜」との小1年生(母から)の感想や応援をもらうと,ありがたくて嬉しくなります。このハエの他の行動や交尾も興味深いのですが,かなりSM的で小1の彼にはちょっと見せられないなと思っています。
 点を入れてくれた皆さん,ありがとうございました。

(一般投票準大賞)
日室様・・・ありがとうございます。カメムシの熱き肉弾戦を皆様に良い評価をして頂いて 大変光栄に思います。

(審査員賞)
西本様・・・賞をいただけて喜んでます。これからも生き物の観察(私は昆虫が好きですが)をしながら色々な行動を見て楽しみ、そして出来るだけ映像も記録したいと思います。有難うございました。
森様・・・これを機に、「ヘビは悪者」という世の中の誤ったヘビ観が少しでも改められれば 幸いです。
角(本田)様・・・審査員特別賞をいいただき嬉しく思っております。コオロギの雄の闘争行動は、激しい発音を伴います。近くで観察するととても迫力ある闘争行動です。しかし、その迫力をおつたえできるような映像の撮影はなかなか難しく、今回の映像もまだまだ未熟だと感じています。今回評価していただいたことを励みとして、生き生きとした映像を撮影できるように技術を磨いていきたいと思います。

<審査員評>
(海野氏)…
今回も楽しみに見せていただいた。
 コンテストの趣旨に「学術」「映像」と並んで「授業に使えること」というのがある。授業といっても色々だ。小学校の生徒と高校の生徒ではまた違うだろう。
 ぼくのこの点での評価は、将来、生物学を目指す子どもたちに生物そのものに興味を持ってもらいたい、そのために興味を引きつける要素があることが大切だと思う。小学生から大人まで、「生き物って面白いな」と思わせることが重要であると思う。そのためには撮影者がおもしろがることが一番だと思うのだ。
 今回の映像を見て総合的に思ったのは撮影技術の未熟さである。また見せるということを重要視すればある程度の編集も必要である。手を加えていない撮りっぱなしの映像は行動の解析には重要である。ただし、それはその行動が学術的に貴重な場合であって、見せる映像としては適していないと思う。
 ゼニガタアザラシの雄間闘争、敵対行動はそういった意味で物足りない。中ではゼニガタアザラシの雄間闘争1が面白かったが、肝心な場面ではもっと望遠を使ってアップで見せたと思った。キタゾウアザラシの雄間闘争は体が大きい動物であるから迫力があるといった有利な面もあるが、ゼニガタアザラシと比べればはるかに映像的に優れていると思った。ほ乳類では子犬の遊び、ケンカ、仲裁行動はなかなか面白かった。攻撃はもっと長く見たい。
 餌資源を巡るアカマタの闘争は、はじめてみる映像で面白いが画面が暗すぎるのが難点。ハクセンシオマネキのケンカもまずまずのできだ。
 水槽内や実験室内での映像も多くあったが、何かを言うために、もっとわかりやすい映像が撮れるはずである。その中ではメスを巡って闘争するコオロギのオス同士というのがわかりやすい。これはコオロギの喧嘩を楽しむ風習がアジアにあり、その再現のようなものだ。良く完結していて子どもたちは興味を持つのではないかと思う。ただあまりにも良く知られている行動であるから、やはり撮影方法にもっと工夫が必要だ。トゲオオハリアリのワーカーの産卵と機能的女王による食卵はこのままでも学術的には優れていると思う。ただ解説がないと何をしているのかがわかりにくい。見せるためにはもっとアップの映像を多用し、構成し直すともっと良い。
 魚類の映像はどれもなかなか良く撮れていた。ミスジチョウチョウウオに関する2点は良く追っているが海中内なので苦労したのだと思う。ただ映像はもう一歩踏み込みたい。アミメハギの卵を巡る雄間闘争も映像的に惜しい。ゴンズイのメスを巡る闘争、ちびオス受難、戦うチビはいずれもよく撮れていた。学術的にはゴンズイの方が優れていると思うが、ちびオス受難は興味を引く映像だ。
 小さな昆虫類の作品はいずれも技術的に未熟さが目立つ。せっかく面白い場面を撮っているのだから、もっとアップで見たい。クローズアップレンズの工夫などでもっと見応えのする映像にして欲しい。その中でアブラバチのケンカとミカンハダニのケンカはもっと大写しできたら素晴らしいものになると思うのだが。
 昆虫の中で特に面白かったのはカマバエの一種の喧嘩、マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレーだ。カマバエはもっとアップで撮れれば被写体として申し分ない。マエジロアシナガヤセバエはよく撮れていて、映像的に満足できるできばえだ。アリと双翅目昆虫がシロアリを綱引きは映像的に面白い。
 大型昆虫ではメスアカミドリシジミの雄の縄張り行動とトンボの縄張り争いがあったが、メスアカミドリシジミは良く追いましたということは評価できるが、良く知られた行動なのにあまりにも短い映像で、もっと前後がなければ作品としては成り立たない。トンボの方は映像的に大変よく撮れている。ながくみせているがやや冗長だ。この作者は技術的に優れているので、もっと他のトンボも混ぜて見せるやりかたが良いと思う。
 今回は部門から選ぶということになっているが、どの部門でもとても良いというのがなく、ドングリの背比べで選ぶのが難しい。でも選者だからそうも言っていられないので、ぼくなりに選んでみたい。総合で選ぶとまた違う結果になる。その場合は「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレー」「ちびオス受難」「トンボの縄張り争い」の順

「教育」 「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレー」 生徒に行動に興味を持たすきっかけになりそう。
「映像」 「トンボの縄張り争い」 映像が綺麗なので作者のよりいっそうの奮起を期待して

(千石氏)…
  • 「ミスジチョウチョウウオのなわばり闘争」・・・テロップがあると良い。スロモーションは分かりやすい。
  • 「危険な「ケンカ」」・・・激しいのは分かる。ストーリーは面白いが絵が付いていってない。3尾めの登場がよい。
  • 「ヨツハモガニの闘争行動」・・・行司がいそうな感じ。
  • 「キタゾウアザラシの雄間闘争」・・・まきぞえを嫌って逃げるメスがおかしい。♂♂になってから迫力のあるアングルが欲しい。
  • 「餌資源を巡るアカマタの闘争」・・・隠生的動物の活発な行動。特殊な状況での珍しいシーン。「学術」
  • 「ハクセンシオマネキのけんか」・・・続編に続きそうな終わり方が面白い。
  • 「子犬の遊び、ケンカ、「仲裁」行動」・・・窓のフレームが気になり、見えにくい。
  • 「♀をめぐって闘争するコオロギの♂同士」・・・パターンがよくわかる。
  • 「ちびオス受難」・・・スニーカーも大変で、それなりのリスクを負っているのがわかる。
  • 「ゴンズイのメスを巡るケンカ」・・・ゴンズイを個体として感じる新鮮さ。
  • 「トゲオオハリアリワーカーのケンカ」・・・絵からは結論が見えにくい。
  • 「トゲオオハリアリのワーカー産卵と機能的女王による食卵」・・・アリ社会内部での闘争は興味深いが、わかりにくい。
  • 「スズメの喧嘩」・・・負けん気の強いスズメのプライドを感じる。
  • 「アブラバチのケンカ」・・・同じ行動の目的違い転用が面白い。
  • 「ミカンハダニのケンカ」・・・ダニの凄まじさを感じさせる。最終シーンのイラガ幼虫の意味不明。
  • 「アミメハギの卵をめぐる雄間競争」・・・とぼけた雰囲気のアミメハギの必死さ。
  • 「カマバエの一種の喧嘩」・・・「教育賞」小さな世界もよく観察すると非常に面白い行動が隠されている。
  • 「トンボ縄張り争い」・・・個体数が多すぎる。個体の区別ガイドが欲しい。
  • 「攻撃」・・・断片的すぎてわかりにくい。
  • 「ゼニガタアザラシの雄間闘争2」・・・ホームビデオで知らない人の遊びを見るよう。
  • 「ゼニガタアザラシの雄間闘争 1」・・・ナレーションを感嘆詞でなく、どうせなら実況中継にしてほしかった。
  • 「ゼニガタアザラシの敵対的行動」・・・焦点の部分をもっとアップにしてほしい。
  • 「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ」・・・「映像賞」当人たちの必死さがユーモラスに映る。第二段階のあるのが面白い。
  • 「アリと双翅目昆虫がシロアリを綱引き」・・・不思議さの残る映像。
  • 「メスアカミドリシジミ雄の縄張り闘争」・・・短すぎてわからない。
  • 「戦うチビ」・・・勝敗が見えない。
  • 「コバネヒョウタンナガカメムシの雄の闘争行動」・・・ボクシングの後の♀との出会いが欲しい。

(日高氏)… 
  • 「ミスジチョウチョウウオのなわばり闘争」「危険な「ケンカ」」・・・解説が長いわりには、映像が分かりにくい。
  • 「ヨツハモガニの闘争行動」・・・単なる闘争の記録であるが、よく撮れている。
  • 「キタゾウアザラシの雄間闘争」・・・オスAとメスは結局どうなったのか?
  • 「餌資源を巡るアカマタの闘争」・・・「教育賞」コンバットの様子がよくわかる。教育的には大変明快。
  • 「ハクセンシオマネキのけんか」・・・闘争の目的がよくわからない。
  • 「子犬の遊び、ケンカ、「仲裁」行動」・・・子犬の遊びのよい記録。ケンカのようにも見えるが、子犬は遊びのつもり。
  • 「♀をめぐって闘争するコオロギの♂同士」・・・「映像賞」よくわかる。
  • 「ちびオス受難」・・・小さいオスの苦難がよくわかる。
  • 「ゴンズイのメスを巡るケンカ」・・・闘争の成り立ちがよくわからない。
  • 「トゲオオハリアリワーカーのケンカ」・・・戦っていること自体がよくわからない。
  • 「トゲオオハリアリのワーカー産卵と機能的女王による食卵」・・・マークがふらふら動くので、事態がよくわからない。
  • 「スズメの喧嘩」・・・映像は珍しいしよくわかる。
  • 「アブラバチのケンカ」・・・面白い映像である。
  • 「ミカンハダニのケンカ」・・・映像があまり明瞭でない。
  • 「アミメハギの卵をめぐる雄間競争」・・・映像がよくわからない。
  • 「カマバエの一種の喧嘩」・・・面白い映像だが、短すぎる。
  • 「トンボ縄張り争い」・・・勝敗がどのようにしてきまるのか、特徴は何なのか、よくわからない。
  • 「攻撃」・・・ただの記録にすぎない。
  • 「ゼニガタアザラシの雄間闘争2」「ゼニガタアザラシの雄間闘争 1」「ゼニガタアザラシの敵対的行動」・・・戦いの実態はよくわかるが、行動の機能も意味もよくわからない。
  • 「マエジロアシナガヤセバエのケンカディスプレイ」・・・「学術賞」面白くてよくわかる映像である。
  • 「アリと双翅目昆虫がシロアリを綱引き」・・・露出が悪いせいか、明瞭さに欠けるのが惜しい。
  • 「メスアカミドリシジミ雄の縄張り闘争」・・・蝶の動きはよく撮れているが、それだけという感じ。
  • 「戦うチビ」・・・映像が分かりにくい。
  • 「コバネヒョウタンナガカメムシの雄の闘争行動」・・・行動としてはきわめて簡単である。


お問い合わせ
MOMOプロジェクト
連絡先ethology@zoo.zool.kyoto-u.ac.jp
担当者:繁宮悠介、藪田慎司



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